Sunday, 8 May 2016

トンコハウス展×アニメーター峰岸裕和さん

晴天に恵まれていた今年のゴールデンウィークももう終了。
人も車も街には少なく、あらっみんなどこいったんだ?ってくらい
家の周りは静けさがあったけれど、もうすぐそこにはいつも通りの日常。

そんなGWの始まり4月29日には、新橋にあるリクルートギャラリーG8で開催していた
トンコハウス展「ダム・キーパー」の旅のイベントにMCとして参加してきました。以前トンコハウスの堤大介さんに取材をさせていただいたことをキッカケに、今度は堤さんからお声を掛けていただいてやらせてもらうことに。
この"こま撮りイベントPART2 "(前回のPART1は堤さん×峰岸さん) では、どーもくんなどでも有名なドワーフのストップ・モーション・アニメーター 峰岸裕和さんと一緒にたっぷり2時間!アニメーションの世界に浸らせていただきました。

こま撮りイベントということで、峰岸さんによる職人技の数々を目の前で見ることができる!ダムキーパーのブタくんの人形を使ったストップモーションのアニメーション現場を覗くことができる!とても貴重な滅多にない機会。いずれはアニメーターになりたい、と夢を描いている方も会場には数多くいて、峰岸さんが見せる的確でしなやかな一連の動きや発する言葉にみな集中。どういう人がアニメーターに向いているのか、、、という質問にも「熱意と楽しめること」と特別な要素ではないけれど、でも根本にはそれが一番大事と。テクニックだけでなく、それらも持ち続けながら40年近く現役の姿には物凄い説得力。
そんな話も時折ひとつひとつブタくんを動かしていきながら(大体2mmぐらいですって!)、スットプ・モーションならではの"愛らしい動き"を吹き込んでいく峰岸さん。動かせないものはない、と言っていた後ろ姿、めちゃくちゃ格好良かった!次ぼ世代にもしっかりと繋いでいかなくはいけない姿でもありますっ!

そしてイベント中盤にはサプライズでスクリーンに堤さんも登場!
サンフランシスコからskypeで〜というプランだったのですが、まさかの回線不調でこちらもかなりこま撮りな様子に…。まさかの展開、まさにLIVE!!という状況でしたが、逆にお客さんもそれを楽しんでくれて、何よりでした!堤さんにも本当に感謝です〜。
という、気づけばあっという間な2時間。
堤さんや峰岸さんだけでなく、他のスタッフの方含め、素敵な方々と一緒に今回イベントができたことはとても楽しく、刺激的でした!


僕自身も幼い頃、アニメーションに魅せられたひとり。
今回自分としても新しい形でアニメーションに携わることができると感じた時間でもあり、アニメーションが持つ魅力と世界、そして物語にもっともっと関わっていけたらなと思っています。
みなさん、ありがとうございましたー!
次の機会を楽しみにしていますね。

最後はブタ君のどーもくんver。笑

Sunday, 24 April 2016

トンコハウス展



新橋のリクルートクリエーションギャラリーG8で開催中の"トンコハウス展"。
PIXARでアートディレクターを務めていた堤大介さんとロバート・コンドウさんによるアニメーションスタジオの展示です!

J-WAVEの番組"ZAPPA"でも紹介させていただいて、まだオープンする前の絶賛製作中の時間帯(バタバタの中ありがとうございました!)に伺ったのですが、実際に堤さんにもお会いし、色々とお話も聞くことができました。
世界各地の映画祭で受賞をし、アカデミー賞にもノミネートされた"The Dam Keeper"や次回作品の"Moom"を中心にたくさんのアートワークがこれでもか!っというくらい展示されています。会場を回りながらも、まさか日本でこんな風に"製作現場"の表と裏を見せてくれるなんて…という驚きとともに、「待ってましたー!」という気持ちですでに何度もお邪魔しているんですが、作品における原画展などは通常あっても、ここまで見せてくれる空間というのは他にはない、逆にこんなに公開しちゃっていいんですか!?と心配になってしまうくらい。

"The Dam Keeper"はPIXARのようなオールCGではなく手描きで描かれたアニメーション。言葉はなくともそこから全ての感情が伝わってくるような温かみのあるタッチで、全体のトーンが素敵。吸い込まれるなぁというくらい、絵自体が持つ力をあらためて感じます。どのシーンも額縁に入れたくなるような、美しい絵の数々。
光、影、構図、色、動き方などなどあまりにも自然過ぎて、観ているこちらがすんなりと受け入れて特別気づかないようなことにまで、細部にわたってとても綿密なんです。絵描きの目を1日でもいいから、借りたいくらいです!
きっと世界が違って見えてくるんだろ〜なぁ。


忠実に再現されたブタくんのダムの小屋は、本当に動かせるという徹底ぶり。
(※実際に直接触れることはできないですが!)


映画の中でキツネくんが描いた絵も飾ってあります。
この絵が、物語のKEYでもあるんですよね。



会場には"The Dam Keeper"以外にも、Future Projectとしてまだ映像化されていない未発表のものも個人的にはこのコーナーにニンマリ。
ちょっとしたストーリーの欠片を読みながら、絵の一部のイメージボードを観ているだけで一気に魅了されてしまいました。ここからどんな物語が広がっていくのだろうか、どんなキャラクターが描かれているのだろうか。堤さんとロバートさんを中心としたトンコハウスの方々が、日々どれだけ作品作りに向き合っていらっしゃるのかがそれだけで感じられるようなものばかりでした。


こういう普段描かれていたであろう、スケッチブックも。
壁にも手描きの絵があったり、隠れイラストがあったりと遊び心もたっぷり。


トンコハウスの姿が作品を通して見えてくる中で、「なぜ、それをつくるのか」ということに一番こだわっていると言っていた、堤さん。今は得意とするアニメーションをつくっているけれど、アニメーションに限らずいろんな形で伝えて物語を伝えていくことも考えているそうです。堤さん曰く、ロバートさんが「公園をつくりたい」なんて話もしていると言っていましたが、トンコハウスがつくる公園がどんな風になるのか、それを考えるだけでもとても面白くて、楽しくなってきます。
そしたらそこに芝生で寝転がりながら野外映画が観られる場所もぜひつくってもらいたいですね!

トンコハウスという場所は、単に作品をつくっていく場所ではなく、さらにその先を見て誰もが物語を通じてその場所に入りたくなる、そして優しく受け入れてくれるようなところなんだな、と感じています。


こちらのトンコハウス展は、会期期間が延びて4月30日土曜日までの開催。
また29日の祝日の金曜日にはストップモーションアニメーター峰岸裕和さんによる"こまどりライブイベント第二弾" (第一弾は堤さん×峰岸さん)があるのですが、このイベントにMCとして参加させていただきます!なんとも光栄な!ラジオ番組でも様々なアニメーション作品の紹介や監督にインタビューさせてもらうということは何度かありましたが、今回はライブイベント。その場でアニメーションを製作していくところに立ち会うことができるんです。
これはアニメーションLoverとしてはもう堪らない時間!

ぜひお時間ある方は、ご参加くださいね。
詳細はこちらからチェックしてください。


トンコハウス展「ダム・キーパー」の旅
@リクルートクリエーションギャラリーG8
4月30日土曜日まで





Wednesday, 30 March 2016

舞台、逆鱗。



これはまたNODA MAPイズム満載な衝撃的な作品でした!

相変わらず阿部サダヲさんの演技はすごいなー、ぶっ飛んでるなーなんて思いながら、井上真央さんの新境地?的なエキセントリックぶりにちょっと驚きニタニタして、池田成志さんはさすがの存在感。テンポ早く進んで行く野田劇場に振り落とされまいと、目と耳をしっかり開けて観ていましたが、あのボリュームどうやって覚えているのだろうか。
セリフ回しがほんとに早いので、たまのジョークも付いていくのがやっと笑。

"人魚"がモチーフということもあって(なぜ"人魚"なのか、あとになってドーンとだいぶ気持ちが揺さぶられる!)、海の中を描いたアンサンブルによる演出があるのですが、これがとても綺麗。アンサンブルの方々が左右に素早く、踊りながら、魅せる海の雰囲気はお見事!のひとこと。人の動きってこんな風にも使えたりするのだな〜と。
友人の黒田キヨシさんもあの中にいるはずでずっと探していたのに、動きが早すぎて、結局見つけられませんでした笑。ごめん!

最後には深い深い深海まで連れて行かれ、しばらくは海面まで浮上できない気持ちになってしまったけど、こんなに綿密な舞台、NODA MAPは観てるこちらも膨大なエネルギー必須。

さて次はなんだろうな。
楽しみ反面、何をしてくるか半分恐怖。

闘う準備、整えます!

Monday, 28 March 2016

Madonna LIVE!!!!!



思い返せばもうすでに1ヶ月以上も前!
マドンナのライブは本当に最高でした。
今までに見たライブの中でもダントツというか、どこを切り取ってもさすがのエンターテイメントで、目なんか瞑っている暇さえないくらい。
とはいえ、見えている景色がこんな位置からというほとんどバックステージ裏!笑
ステージのモニターが全く見えなくてとても残念…でしたけど、それでも抜群のステージングがMadonnnaなんですね〜。マドンナが出ていなくても変わらず楽しめる素晴らしい演出でしたから!




ニューアルバムを冠した"Rabel Heart Tour"ということで、メインはその中から…という感じではあったものの、往年の名曲のVogueやLike A Virgin、Taka a Vowなんかが流れるとやっぱり嬉しい。そう思うと、現在進行形のアーティストであるということ、すごいです。年齢をあらためて聞くと、あのダイナミックなステージで世界を回るなんて本当にタフだなーと思う。

19歳でアメリカの片田舎からたった35ドルほどを握りしめてニューヨークまでやってきた女の子が、いまや世界のポップスター・アイコン。そんなアメリカンドリームを掴むための下積みだって相当なものだったのだろ〜なぁと、なんだか思い巡ったりもしました。

そうそう日本好きのマドンナのライブ!といえば日本人ダンサーがいるので有名。もともとダンサー志望だった彼女なのでダンサーを揃えることにもMJくらい力を入れているそうなんですが、今回は以前NYで会ったことのある、Ai ShimatsuことAiちゃんがツアーに。2010年のころに出会った時には、「アーティストのバックダンサーとして踊りたい!」と言っていたAiちゃんも気づけばBeyonceやPharrel Williamsなど錚々たるアーティストと世界を舞台に仕事をしているんですよね。
なかなかステージまでが遠くて、双眼鏡を見ながらのライブ(初めて!)でしたがしっかり目に焼き付けてたっぷり楽しませてもらいました!エンターテイメントの世界はやっぱりいいな〜


p.s.
5万円のチケット購入しておけばよかったといまでも後悔…。

Sunday, 28 February 2016

絵本のハナシ (2)


絵も文章も、一目で大好きだ!と思った絵本がこちら。

「クジラにあいたいときは」
(原題: if you want to see a whale)
文 ジュリー・フォリアーノ
絵 エリン・E・ステッド
訳 金原 瑞人

カバーを剥がしてみると、こんなインテリアになっているんですね。


ちょっと写真だとわかりづらいけれど
グリーン寄りの紺色生地のテキスタイルに
彫るようにしてクジラの絵が描かれているんです!
こりゃ、やられたぜ!という素敵なデザイン。





多くを語ることなく
これといったストーリーがあるわけではなけれど
エリンさんの描く絵と一緒に
男の子のイメジネーションの海の中で飛び込んでいく感じ。

どうやったらクジラに会えるだろうか・・・
知っていても、なかなか会える身近な生き物じゃないから
思いっきりの想像力を働かせて、クジラに会いに行く。
男の子と一匹の犬との冒険。

とにかくエリンさんの絵が素敵すぎるんですが
これは…版画なのかな?面白いテイストの塗り方をしています。
シンプルなんですが、細かい緻密な描き方。
鉛筆との線の組み合わせが素朴でぴったり。

辿り着く最後のページ。
果たして、クジラにはあえるのか…
ぜひご自分の手でページを捲ってみてくださいね。



Saturday, 27 February 2016

アニー・リーボヴィッツ@TOLOT




まだまだ寒いけれど天気は抜群!ということで
東雲の倉庫地帯にあるギャラリー、TOLOTで開催中の
アニー・リーボヴィッツ「WOMEN: New Portraits」 に!


入り口には素敵な赤い重厚なドア!

六本木の駅からヒルズへと向かう長〜いエスカレーターのところにも
巨大な広告があって、すごい宣伝だ!と気になっていたのでした。

アニー・リーボビッツさんはフォトジャーナリストを経て
肖像写真家となった女性フォトグラファーの方で
名前は知らなくとも、彼女の作品や写真が使われた広告は
一度は絶対にどこかで見たことがあるはず。

たとえば
裸のジョン・レノンがオノヨーコさんを抱きしめている写真とか
デミ・ムーアの妊娠姿のヌードであるとか・・・
最近ではディズニーの世界を写真でリアルに再現したシリーズなど
おもしろい表現もされている方なんですよね。

そんな中で今回は"Women"にフォーカスをしたプロジェクトを展示。

アーティストから活動家、スポーツ選手や学者や教師にいたる
様々な女性が写真に収められていて
パネルボードに画鋲で貼り付けてありました。
(このシンプルな展示の仕方がすごく良かった!)
世界を男と女という二つのカテゴリーに分けるのではなくて
女性だけでもこれだけの多様性があって個性があるのだよ、と
アニーの目線であらためて人と向かい合ってみることができる時間。

展示エリアにはモニターを組み合わせて大きな画面に
写真を表示していたりもして
かなり大きなサイズで見ることもできます。
BGMにはアメリカンなオールドスクールのロックが流れているのもあって
(いた時はなぜかずっとBob Dylan!!)
ちょっと日本じゃない海外のギャラリーの雰囲気も味わえて
その空間にいるだけで心地よい場所でした。

そして何より、アニーさんが格好いい。
オープニング時には来日もしていて
来場者とのディスカッションも行っていたよう。
写真家でもあり母親でもあるアニー・リーボヴィッツ。
きっと、しなやかでエネルギッシュで魅力溢れるひとなんだろうな。

こちらの展示は3月13日まで!
お早めに〜。


p.s. 入場料は無料だし、アンケートを書けば無料のカフェラテもいただけちゃうんですよ。ぜひぜひ。




Monday, 18 January 2016

蜷川舞台、元禄港歌。




先週、こちらの舞台を観劇しました。
「元禄港歌」演出:蜷川幸雄

ほんとうに美しい舞台。
照明や素早い転換後に見られる舞台美術、物語を紡いでいく台詞、折り重なる悲しき宿命など肉厚な背景の上に素晴らしい役者さんが集まっていました。
ここ最近TVでもよく見かけることも多く、なんとも味を出される掴めない(役によって全然違うカメレオン役者!)空気を思っている高橋一生さん。主役食い級の演技がいつも目を引いてしまうんですけど、あらためてその経歴を調べてみたら、なんと…


"耳をすませば"の天沢聖司役の声を担当されていたとか。


知らなかった〜。
そんな高橋一生さんの役どころも、これまでにもまた観たことのない色がある役柄で舞台で見る姿というのもまた違うなと感じた役者さん。
そして段田安則さん、鈴木杏さん、宮沢りえさんというもう豪華この上ないキャスティンウだったんですが、その中でも群を抜いて舞台に重みを加えていたのが…


市川猿之助さん。


あの方の女方はすごいから…と以前から聞いてはいました。
今舞台でも"盲目の女芸人"として、母として、必死に暮らしている糸栄という女性役。大きな忘れられない過去ももっているという非常に深い役どころではあるんですが、その声の出し方といい、所作振る舞いといい、あれは…猿之助さんというより、糸栄本人を見ているようで、美しくもあり、陰影を強く感じるような鬼気迫るものでした。
歌舞伎役者としても常にチャレンジをされている方でもありますが、歌舞伎姿の猿之助さんの姿もぜひ見てみたいなと思います。

蜷川演出、ものすごく揺さぶられます。
36年ぶりに再演、という舞台だそうです!
ご機会あればぜひ。