Friday 6 July 2012

ふたり

ふたり「コクリコ坂から・父と子の300日戦争・宮崎駿×宮崎吾朗」。

レンタルDVDで気になり、思わず手にし見てみました!
ジブリ作品は小さい頃から数え切れないほど見ているし、ある意味ジブリを見ながら育ってきた!といってもいいぐらいなのですが、やはり裏側、製作側はすごい。

昨年公開になった「コクリコ坂から」の製作裏側をドキュメント。
以前NHKでも放送していたもので、それをDVD化したものなのですが、息子であり監督である宮崎吾朗さんと、父であり脚本を担当した宮崎駿さんの"親子"という姿がクローズアップされ、テーマとなっているだけに、製作裏を見た!という感動以上のものがありました。

「ゲド戦記」で初監督をした吾朗さんの経緯、それは三鷹にあるジブリの森美術館の設立のプロジェクトを任された!(当時は建築の仕事をしていたんだそうです。)ことからジブリを関わっていくことに。いくら駿さんの息子とはいえ、全くアニメーションの仕事をやったことがないゼロからのスタート。吾朗さんの素質を見抜き(吾朗さんにはイメージが見えている!と仰っていまいたよ)、大役を任せてしまう鈴木プロデューサーもこれまた凄いのですが、こういう道程だったのか・・・と長らく気になるところでもあったので、少しもやもやが晴れた清々しさ反面、「ジブリだからやっているんだ。」と言った吾朗さんの言葉に込められた覚悟には、並々ならぬ覚悟も感じました。吾朗監督決定後も駿さんは反対し続けていたそうで、その中で吾朗さんが駿さんを納得させるために見せた映画のモチーフになる"絵"があるんですが、その絵を見た瞬間、一枚の絵に宿る思いの濃さがズシンと伝わってきたのは一番の衝撃でした。(そういえば、まだちゃんとゲド戦記見ていないので、見なくては!)

ジブリというブランド、駿さんという偉大な父を持つことでのプレッシャー。
一代目の名前から脱却し、独立して認められる難しさ。
でも親子だからこそ、クリエーションの場で華ひらくことがあるのかなと。

話は変わりますが、先日の某商品発表イベントにてギタリストのCharさんと息子さんのJesseさんの共演を見たんです。なんというか、好みも感覚も言わずもがなで通じ合っている二人の距離感というのは、やっぱり親子なのだからだな~と思うところあり圧巻のステージでした!
親子というより、すでに男同士!という感じでもあったんですけどね、でもそれが父子の理想なのかもしれないです。

話はちょっと逸れましたが、そう宮崎親子で言えば、製作途中全く交わらないようにしている風景が番組内でも多々出てくるのですが、途中衝突し罵り合いながらも、いずれにしても同じベクトルを向いている。今は長年の経験の分だけ、駿さんの方が引き出しが多いんだろうな~ということはあるのでしょうが、吾朗だからこそのアクセントもある。
その結晶が「コクリコ坂から」なんです。コクリコ坂からの絵コンテはすべて吾朗さんの手描きなんだそう。

ひと場面ひと場面へのコダワリや、キャラクターのちょっとした表情の違いというのも、一枚一枚手描きで描き続けているジブリだからこその魅力。ちゃんと引き継がれています。

駿さんも、もう70歳。
その年齢まで情熱を一身に向けられる現役であり続けることは自分にとっての目標でもあります。
コクリコ坂から完成後、最後に皮肉っぽく「もうちょっと脅かしてもらわないと!」なんて駿さんは言っていましたが、それもなんだか駿さんらしい。ちゃんと吾朗さんが後ろから追ってきてますよ!
そんな現在のジブリが垣間見れます。たぶんもっとジブリが好きになりますよ。是非。


p.s.
そういえば自分も2世(?)少なからず影響は受けている中で、近い世界に身を置こうとはしてますが、まだまだ。駿さんの言葉「血反吐を吐くぐらいやって、やっとアイデアが浮かんでくる。それでもそうじゃない奴がほとんどなんだ。」は納得。暗中模索の中でも、やってみる。迷いながらではありますが、ブレずに。

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